藤寿会の舞踊会~平成21年5月2日~

初代藤間勘市郎師の十三回忌追善の「籐寿会の舞踊会」が、5月2日(土)国立大劇場であった。
前回の籐寿会で「静と知盛の舟子」を踊ったのは3年前だ。 国立劇場の舞台に立つことはもうないだろうと思っていたのに、また機会をいただいた。「京鹿の子娘道成寺」の所化=写真左=勉強の場に感謝する。

初代の勘市郎先生は宗家藤間流にとって大変大きな存在だった。これは七世、八世の両ご宗家がプログラムに寄せて下さったご挨拶で知ることができる。個人的には名執試験を受ける為の稽古を見ていただいた。
お稽古場に通ったときや静岡の舞台でお会いした時は優しい印象だった。厳しい先生と言われているが、決して怖い記憶はない。でも眼光鋭く…の姿勢は畏敬すら感じた。名執式のお盃の時、足がしびれて困った!と思った時、心を見透かされたように“目が合って”ドキッとした思い出がある。
初代勘市郎先生のもとに静岡から稽古に通った師匠は、しみじみと思い出を語る。「電車賃を使ってきたんだから、休んでいる暇なんかない、一つでも多くのものを持って帰れ!!」と口癖のように叱られたとか。芸には厳しい先生だったが、多くの事を教えてもらった、と。ちょっとうらやましい。


長唄「京鹿子娘道成寺」の舞踊、名披露目の新名執さんが務める日本舞踊の大作。白拍子の花子は鐘の供養に紀州道成寺にやってくる。女人禁制の寺で烏帽子姿で舞う事で拝観を許される、という筋。その寺の坊主が所化(小坊主)だ。総勢10人、全員、勘市穂門下の市穂美会員が務める。
静岡で稽古を重ね、いろいろあったが本番では“今までで一番良かった”と師匠を安心??させるが、えっえぇ~!!(ぶろぐ・徒然日記も読んでほしい!)


花子さんより小坊主の方が高年齢?くりくり頭も“なかなかいい感じ”